近年,機械学習モデルを利用した推薦時において,なぜその候補を推薦するのか,という推薦根拠の説明性の研究に注目が集まっている [1, 2, 3, 4].Kanouchi ら [5] は抽象的な要求に対する根拠付きの推薦文を提示するために,根拠説明データセットとそのモデルを構築した.しかし、実際にユーザに宿を推薦するシーンを想定すると推薦根拠の候補は無数に考えられ,ユーザにとってより魅力的な根拠を選択して提示する必要があるが,彼らのモデルでは利用する推薦根拠の選定ができていない.そこで本研究では,推薦根拠説明システムの実サービスへの導入に向け,Kanouchi らの取り組みを基にして根拠がどの程度魅力的なのかを予測するモデルを構築し,その出力の有用性をドメイン知識を有した実務担当者により評価する.評価の結果,根拠判定に加えて魅力度を考慮したモデルが適合率0.81 で推薦根拠の抽出に成功し,生成した推薦文のうち 55%は実業務で利用可能なことを報告する.